研究会・メンバーFEP lab.

臨床×研究=のミライ

研究会として最も大切なことは、私たちの研究を、患者さんの治療やその先にある生活の質の向上に繋げるということ。
作業療法学や臨床心理学を含む医学が進歩の一途をたどっていく中で、より患者さんへの負担が少なく、よりメリットが高い方法を柔軟に取り入れながら、臨床の現場に還元されるべき研究を最優先に進めていきたいと考えています。

私たちが目指していることは、臨床と研究が互いに理解を示す、その先にあります。

『私たちの研究が、患者さんの役に立つ、患者さんの治療に寄与するということが、私たちの研究動機のスタート。最初にFEPを始めたきっかけも、「患者さんの治療をもっとしたい」とか「患者さんの記憶力をもっと高めた方が生活しやすくなるだろうな」と思ったのがスタートです。』(FEP lab.代表 大宮)

『研究としてはこうだけれど、臨床で患者さんと関わるスタッフならば、これについてどう思うだろうか。その視点を大事にしていかなくてはと思います。研究よがりにならず、患者さんに還元されるべきものを、私たちは研究として発展させていくということを忘れないように意識しています。』(FEP lab. 宮島)

FEP lab.メンバー

メンバーが個々の立場の軸に沿った研究活動をしています。互いの活動のサポートや、共同プロジェクトでの研究を実施することも。
毎月開催の定例勉強会では、個々の研究についての報告・ディスカッションや、関連書籍の抄読会などを行っています。

代表大宮 秀淑
大学教員/公認心理師/臨床心理士/博士(保健科学)
宮島 真貴
大学教員/作業療法士/博士(保健科学)
松㟢 由莉
大学院研究生/作業療法士/修士(保健科学)

※2019年2月現在

FEP lab.発足までのアレコレ。

創設メンバー3人の出会い

宮島:
松㟢さんと大宮さんは、松㟢さんが学部の卒業研究で大宮さんの職場に見学に行ったのが最初の出会い?
松㟢:
そうです。
大宮:
僕がA病院に勤めていた時に、卒業研究で(松㟢さんが)僕のところに来て、デイケアのプログラムを見て、それで研究するという。
宮島:
その研究がFEPですよね。
松㟢:
CRT(認知機能改善療法)のくくりで、認知機能リハビリテーションについて・・・ざっくりとした。
大宮:
それが多分、松㟢さんとの最初の出会い。2015年。
大宮:
僕と宮島先生が出会ったのは、2011年。僕が北大の博士課程行こう決めた一つの理由は震災ですもん。東日本大震災。修士出てから‘おじさん’になるまで働いていたけど、前々から「博士課程で研究したいなぁ」とは思っていたんだけど。お金もかかるし、きっかけもなかなか無いし。でも震災が起きて。「やることやんないとダメだ!」「博士課程行こう!!!」って。このままやらずに死ぬのは嫌だな。って思って。
宮島:
なんでそんなこと教えてくれなかったんですか?そんなカッコいい話。
大宮:
博士課程で自分が行けるところあるんだろうか、自分がやれることあるんだろうかって調べていたら傳田先生(*1)のところで‘精神疾患リハビリテーション’っていうのがあったから。傳田先生にいきなりメール出しら、「試験受けて受かれば良いよ」と返答が来て。それで試験受けて受かった後に、傳田先生のところに呼ばれて。その時に宮島さんと初めて会ったの。
宮島先生は北大の医学研究科の修士課程にいて。
傳田先生に、これから認知機能など一緒に研究していくからよろしくね。って。
宮島:
大宮先生が博士課程1年の時に、私は修士2年で。大宮先生との繋がりがきっかけでA病院へ行き始めて。私が博士1年で保健学科に戻ってくるときに、そのままA病院で勤めだして。そこから4年間。大宮先生が辞めるまで一緒だったんですよね。それで、大宮先生が大学教員になった次の年に、私も追いかけるように北大の教員になって。わたしA病院に5年間いたんですけど。4年間は同僚として。診療部門は違いますけど。
宮島:
その時に松㟢さんがちょくちょくA病院に見学に来ていたのは知っていて。当時松崎さんは作業療法専攻だったけど、心理部門に来ていたんだよね。松㟢さんは学部の後輩なんだよね。
私と松㟢さんが初めて会ったのは、修士で傳田先生のところに入って、その時の新歓じゃない?
松㟢:
いえ、見学実習の時に会ってます。
宮島:
え?(笑)
大宮:
どこの?
松㟢:
A病院の・・・(笑)
宮島:
わたし居たの?(笑)
松㟢:
(わたしが)学部2年の時に・・・。だと思います(笑)。
大宮:
(病院の見学実習は)いっぱい来るからね。よくその時に宮島先生のこと覚えてたね。
松㟢:
なんか。凄い優しくて。
大宮:
話もしてたんだ(笑)。
一同:
(笑)

研究会立ち上げの決定打は恩師の退官

大宮:
精神疾患の患者さんたちの認知機能とは注意力を高めるためにはどうしたらいいかっていう研究をしたくて博士課程に入ってきて。それで傳田先生が「じゃあ研究会を立ち上げよう」と。で立ち上げて、どうすれば患者さんの認知機能を改善させることが出来るのかってやってた時に、北大病院の精神科の心理の先生が「FEPっていうのがあるよ」って教えてくれて。これはいいかもしれないと思って。それで当時富山大学にいた松井先生(*2)と連絡を取ってみた。そこからですね。
それで僕は個人的に博士課程の研究でFEPの論文書いて、終わって。その後に宮島先生がFEP使って論文書いて。その時は特に研究会を立ち上げる意志もなくて。
自分たちで立ち上げる切っ掛けになった一つは、傳田先生の退官が大きいよね。今までは傳田先生のところに集まっていたけど、それが無くなるので。これは僕らが中心になって研究を続けていかないといけないな、と。
宮島:
大宮先生に舵をとってもらうというか。
傳田先生が退官されるにあたって、最初はすごく不安だったんですよ。誰を基準に集まればいいのかって。今までやってた研究が途絶えちゃったりとか、発展しないということにすごく不安があって。臨床にいたからこそ、尚更広めていきたいっていう思いがあるのに。研究ベースがなくなってしまう。だから、大宮先生のお尻を大分叩きましたよ(笑)傳田先生の次は大宮先生ですよ。先生がやるんですよ!!って。
松㟢さんもその時はもうFEPに触れてたし。私もやっていたし。大宮先生は教員になってたし。もう先生なんですよ!!って(笑)
大宮:
会うたびに言われてた。実際に傳田先生が居なくなってしまったときに。僕らがやるんだ。僕が中心となってやるんだ。みたいな意識が徐々に高まってきたという。

「初心忘るべからず」

大宮:
今後もし研究会が大きくなって来たりしたとしても、僕らがブレてはいけないのは、いかに患者さんの役に立つ研究をするかということ。
宮島:
患者さん中心っていうことは常に確認し合いますよね。
松㟢:
ついていきます!(笑)

*1 傳田健三氏(精神科医 北大名誉教授 FEP lab.創設メンバー共通の恩師)
*2 松井三枝氏(金沢大学 国際基幹教育院 教授)